日時:2024年10月9日
種目:天真講座
今日は月一回の天真講座でした。
この講座は、前半の座学と後半の実技を通して、青木宗家の思想や技を直接学ぶことができる貴重な時間です。
今日の講義は特別なものでした。それは遠当てのその先の世界を見ることになったからです。
遠当てとは、離れたところから、気合で相手を飛ばす技です。武道1300年の歴史の中でも数名しか習得できませんでした。遠当てが幻の技といわれる所以は、誰もこの技を弟子に伝えることができなかったからです。
青木宗家は20代でこの技を習得されましたが、その時までに400年もの空白の時間が流れていました。
今日の講座のテーマは、「講座参加者全員が気を察知できるようになる」でした。これは遠当てに直接つながる稽古です。
そうして始まった講義は、遠当ての秘密を余すことなく公開するものでした 。それらのコンセプトは今までにも語られていたことでもありましたが、ひとつだけ今までとは決定的な違いがありました。
それは、宗家自身の指導者としてのマインドセットが劇的に変化されていたことです。
遠当てが伝えられないのは、弟子の能力の問題ではなく、指導者の資質の問題であると考えられた宗家は、自らを変えてしまったのです。
そうなると道場が自由な創造の場になって、実践中に気を確実に察知して技を効かせる人が続出していました。
これは考えてみると恐るべき改革です。
武道界のみならず、あらゆる分野の先生や指導者に対して、生徒が育たない原因は100%あなたの指導法にある、と言い切るようなものです。
宗家はその刃を自らに向けて、いままで誰ひとりとしてできなかった「遠当てという技を伝える」という未知の道を開拓されているのです。
それはもはや、遠当てが本物か否という次元をはるかに超えて、万人ができる技へと変貌させるとんでもない挑戦でもあるのです。
そうして私が想像できる未来は、遠当てができる人が10人、100人いれば、この世界が確実に調和した世界へと変わるだろうということです。
遠当てという技ができる状態は、人間が真に自然な状態だと思うからです。
美加りん