最近の剣武天真流の稽古は、青木師が新しい思想を次々と導入されるので、どんどん稽古が進化して楽しいです✨
昨日の剣武稽古では、師が4日前に気が付かれた稽古思想を惜しみなくシェアされました。(これに気が付くまでに19年かかっている)
それは、ほんの少しの剣の柄の握り方の違いで、刀を持ったすべての動きが変化してしまう思想です。自分本位の堅い動きになるか、刀本位(刀の流れに沿う)柔らかい動きになるかという、初心者の私が実践してもはっきりと違いがわかる内容でした。
簡単なことなのに、気が付くとコペルニクスの転回的なすごい発見ですが、その本質を思想化するところが凄まじい。
そして、ここで終わらないのが青木師流の指導です。同じ思想を組手に応用すると、自分本位な相手の倒し方と、相手の動きに合わせた倒し方、そして相手とひとつになった倒し方を、わかりやすくデモンストレーションされました。
というよりも、思想がはっきりと提示されたので、だれの目にもその違いが明らかにわかったという方が正確でしょう。
その後は、青木師によって提示された新しい思想を受けて、その場で稽古を組み立てられた石井正師範の稽古によって、さらにその学びが深まりました。みるみる皆さんの動き方、在り方が変化していく、とってもエキサイティングで深い稽古でした。人生が変わった人もいるんじゃないかな?
この教えが思想であることの意味は、稽古を超えて、あらゆる日常のものの中に同じエッセンスを見つけることができるという実感にあります。そして、あらゆるものの中に技のヒントが隠されていると知ることです。
青木師は等価転換(等価変換、同定)して、全く違うものから、本質を抽出して、技を進化させることの大切さをたびたび説かれます。
例えば、パイプの形状を見て、蹴りの技を知る。葉っぱの揺れを見て、突きという技をつかむ。などです。師は、どんな時もさまざまなことを等価転換視点で観て、創造をつづけていらっしゃるのだなと感じました。
そうして稽古思想について深い話をされた青木師は、最後に真顔で一言おっしゃいました。
「十日でチェンジするってことではないですよ。」
稽古人みんなキョトン?
次の瞬間、大爆笑!
体を使わずして青木師は全員を大地に転がします。さすがレジェンド!
ツボってしばらく立ち直れませんでした。。。。
ダジャレも等価変換の最たるものかもしれません。。。。。。
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(メモ)
●市川亀久彌氏の「等価変換創造理論」は、異なるものの中に同じもの(エッセンス)を見出して、問題解決しようとする理論。
●湯川秀樹博士の「同定理論」は,創造性とは何かという問いに対して、「ある異なる二つの事柄を関係づけることによって、新しい何かが創造される」という理論。